夜半に、中学からの友人Yの家へ。
♫ お酒はぬるめの 燗がいい 肴はあぶったイカでいい・・・
しみじみ飲めばしみじみと 思い出だけが行き過ぎる・・・♪
私「お~い・・・居るかぁ・・・初詣に行こうぜ」
Y「おぉ・・・来たか・・・ちょっと待てよ。
今、ちょうど年末歌の真っ最中だから・・・
歌合戦終わったら行こうぜ。
♪フフフン~ のめばぁ~ しみじみとぉぉ~・・・」
私「なんだよ。もう飲んでんのかよ・・・」
Y「ははは・・・やくおとし・・・やくおとし・・・
この歌聴くとさ、ほら高倉健と賠償千恵子の映画シーン・・・
思いだすんだよなぁ・・・
♪なみだがぽろりとぉ こぼれたぁらぁぁ~・・・なんてね」
私「何が厄落としだよ・・・厄歳までにはまだ早いだろうが・・・」
Y「ことしの悪いこと全部の厄落としだよ。
ま、あわてるなよ。
神仏は逃げやしないだろうが。
飲むか? おせちもあるぜ」
私「あまり遅く行くと、混むんだぜ。電車だってぎゅうぎゅうになるんだから」
Y「大丈夫だよ。終夜運転してんだろ?
乗れなきゃ次を待てばいいじゃないか。
ほら、注いでやるから・・・飲めよ・・・
年越しのお祝いだぜ・・・
もうすぐ・・・除夜の鐘が鳴りはじめるしな・・・
優雅なもんだねぇ・・・
のんびりして・・・いいなぁ・・・
♪しみじみのめばぁ~ しみじみとぉぉ~・・・」
私「・・・・・・・」
いま撞きていまの消え音に除夜の鐘(加倉井 秋を)