昭和60年ごろ、大学の学生研究室で後輩のハチヤ君とお茶を飲んで話していた。
ハ「う~ん・・・涼しくなってくると、
やっぱり温かい緑茶っていいですよねぇ・・・」
私「そうだね、だけどまぁ・・・
お茶がいいっていうことになるのも、それだけ若くなくなってきた
ってことかもね?」
ハ「はは・・・そんなこと言ったら身も蓋もないじゃないですか?
あ、そうだ思いだした。
先々週の日曜日、京都大徳寺で『曝凉展』があったのを知ってます?」
私「ばくりょう・・てん?・・・
なにそれ・・・爆発でもする地点のこと?」
ハ「ちがいますよぉ・・・もぉ・・・
涼しい空気に曝すっていう意味で・・・こう書くんですよ。
ま、簡単にいえば虫干しですね。
正倉院でも宝物を保存するために毎秋するでしょ。あれですよ」
私「ああ・・だけど・・・それとお茶とが何か関係するわけ?」
ハ「京都の大徳寺って
千利休が山門の上に自分の像を飾って、秀吉の怒りをかったっていう
有名なお寺じゃないですかぁ・・・
利休ゆかりのお寺ということで、曝凉展のときには、
大学茶道部なんかのいろんな団体が、お茶会を開くんですよ。
にぎやかで楽しいらしいですよ」
私「へぇぇぇ~~~・・・そういうことか・・・
しかしまぁ・・・歴史のことになると・・・
あんたのマニアックさは相当なもんだねぇ・・・」
ハ「それって、ほめてないでしょ」
私「いえいえ・・・
あんたの知識に『ばくりょう』 じゃなくて 『だつぼう』!!」
ハ「・・・・(もお)・・・・」
古風なる虫干羅紗の帽子まで(平畑青塔)