norimoyoshiakiの日記

昭和40年の後半からの学生生活と、その後のことを日記にしています。ご意見をお待ちしています。

大向こう

 大学地下食堂で刑事法専攻のOとおしゃべりをしていた。

 

O「ところでさ、のりも。百日天下って覚えてる?」

私「え?三日天下だろ?」

 

O「お前のいってるのは、日本史の話しだろ。

   俺のは、『ワーテルローの戦い』で負けたナポレオンが

     セントヘレナに流されるまで皇帝だった期間の、世界史の方の話しだよ」

 

私「・・・おれ入試科目日本史。覚えてないよ」

 

O「もぉ・・・一般教養としての常識だぜ。

   政治家なんかが短期で権力の座から滑り落ちるときに

     『百日天下であった』っていうような表現がされるんだから」

 

私「まぁ、三日よりは長かったってことか?」

 

O「長い短いの問題じゃないと思うが・・・

    ま、いいか。

  それでな、ワーテルローの戦いって1811年の今日に起こってるんだよな」

 

私「それで、この話しになったってわけか?」

 

O「それもあるんだけどさ。この前、刑事法の研究会で

    『賭博のあれこればなし』になってさ、

             そのとき、花札が話題になったのさ」

私「うん?」

 

O「お前、花札に『大統領』っていう名の花札商品があるの、知ってる?

        あのキャラクター絵は、ナポレオンなんだぜ」

 

私「あぁ、知ってるその絵柄!!顔が横向きのフランス軍服着てるやつだろ」

 

O「そんなことだけは知ってんだなぁ。あれなんで、大統領っていうか分かる?」

 

私「え?何か理由があるのか?」

 

O「ああ、あれは日本にナポレオンが紹介されたとき、

   prim consul っていう表記があったらしくってさ、

    これ『第一執政』っていって、政権運営者としての首座ってくらいの意味を、  

      『大統領』って誤訳したことから来てるんだってことだぜ」

 

私「へぇぇ~~誤訳かぁ・・・だけど、それでよかったんじゃないか?」

 

O「え?なんでだよ」

 

私「だって、大向こうから、声を掛ける時に、

    『よっ!だいとうりょう!!!』

               って言えるじゃないか」

 

O「・・・・(ばか・・・意味わからん・・・)・・・・」

 

        花歌留多むかし男は啖呵きり(石田阿畏子)