norimoyoshiakiの日記

昭和40年の後半からの学生生活と、その後のことを日記にしています。ご意見をお待ちしています。

酉の市

 昭和60年のこと。ある学校の講師室でF先生との話し。

 

F「のりも君、『酉の市』って知ってる?」

私「え?どこかで鳥肉の大安売りでもしてるんですか?」

 

F「ははは、そうだろうね。根っからの関西人だね、あんたは」

私「あれ、ちがいました?」

 

F「このとりは、暦でつかう酉、酒っていう字の、さんずいが抜けた酉なんです。

  芭蕉門下の其角がね、

          『春を待つ事のはじめや酉の市』

                          って詠んでるんですよ。

    つまりね、旧暦でいう冬のおわりごろという11月の酉の日の、

       五穀豊穣、商売繁盛を祈るお祭りなんです。

      だけど、この酉の市っていうのは、主に関東の神社で催される祭事でね、  

            関西とくに大阪の人間には、あまりなじみがないんですね」

 

私「ああぁ、なるほど・・・なんでなんですかねぇ」

 

F「うん、まぁ、そもそも酉の市は、

     江戸の農民たちが、

   秋の収穫を祝って鷲大明神に鶏を奉納したことから始まったっていうんですね。

               これは、関西でいう『えびす講』と同じなんですよ」

 

私「へえぇぇ~~~」

 

F「それでね、酉の市っていうのは、11月の酉の日に開かれるんで、

            酉の日が三回あるときは、三回開かれるんですね」

 

私「三回もですか?」

 

F「そうですよ。それを『一の酉』『二の酉』『三の酉』っていうんですが、

       私は、三の酉がすきですねぇ」

 

私「どうしてですか?」

 

F「三と酉を併わせると、酒って言いう字になるでしょ。はは・・・」

 

私「・・・・(のんべえの冗談か)・・・・」(心の中で)

 

     三の酉すぎしと燗を熱めにし(鈴木真砂女