昭和51年のこと、大学にて。
A「なあ、今年はうるう年だろぅ?」
B「ああ、そうだなぁ」
A「おれの親戚のおじさんが、昭和11年の2月29日生まれなんだ」
B「おお、めずらしいなぁ」
A「それでさ、この前に会ったときも、おれの誕生日は4年に1回しか来ないんで、今10歳だから、お前より年下だぞ。こづかいをくれって、からかうんだ」
B「はは、おもしろいおじさんだなぁ」
A「それは、いいとしてさ。2月29日生まれの誕生日って、どうするんだろう?」
B「めずらしいよな。昔は、戸籍に登録するときは、面倒だから、親はたいてい3月1日生まれで出生届をしたって聞いたがなぁ」
C「ええっと、法律にあったぞ。たしか『年齢は出生の日よりこれを起算す』(年齢計算ニ関スル法律)としているはずだから、昭和11年2月29日生まれのひとは、昭和12年2月28日の夜零時で1歳になるんだよ。だから、お祝をするなら、3月1日だな。これを誕生日といえばいえるだろ」
A「だけど、うるう年のときはどうするんだよ」
C「そりゃ、実質でいくんだから、2月29日にお祝いするだろうし、まあ29日が誕生日になるんだろうな」
B「あれ、年によって誕生日が変わるのかぁ、変幻自在だなぁ」
C「いいじゃあないか。1日多い年に生まれてるんだから。本人も何か得した気分だろうぜ」
A「いいや、おじさんは4年に1回しか29日がないから、ふつうの年は、家族からはお前の誕生日はないってことで、お祝いをしてもらえずに損したっていってたぜ」
なるほど・・・・
閏年や1日遅き花の春(子規)