norimoyoshiakiの日記

昭和40年の後半からの学生生活と、その後のことを日記にしています。ご意見をお待ちしています。

酒 その2

Yたちと、はなしが続く。

Y「なぁ、日本で初めて作ったお酒ってやっぱりお米からできてるのかなぁ?」

伊「そりゃそうだろ。日本は瑞穂の国だもんなぁ」

 

私「それがさぁ、この前、考古学をやってる先生が、卑弥呼はワインを飲んでたんじゃないかって説があるんだって言ってたよ」

伊「ワイン?あの赤だとか白だとか言ってるやつか?」

 

私「ああ」

Y「そりゃ、ありえないだろう。日本じゃブドウは自生してないはずだろぅ」

 

私「ところがな、東北あたりで出土する土器を調べたら、山ぶどうだのスモモだの、いろんなくだものが土器にのこされてるんだってさ。それは果糖の汁が詰められていたっていう証拠のひとつで、果糖からお酒ができるんだってよ。これが一番簡単なお酒の作り方なんだってさ」

伊「なんで、果糖からだと酒ができやすいんだ?」

 

私「聞いたところによると、糖になると自然界のなかにある酵素でも発酵が進んで、酒にすることができるんだってさ。だけど、コメなんかのデンプンは一度アミラーゼなんかの働きで糖に変えないと自然の酵素は、はたらかないから、酒にならないんだって」

伊「なるほどなぁ」

 

Y「残念。もしコメが伝来してなかったら、日本も酒の種類がワインになって、ごちそうも、ムニエルだとかステーキなんておしゃれな食事が主流だったかもしれないぜ」

私「そうしたら、お前、いまさっきおいしいおいしいって言って食べてた、刺し身や焼き魚や煮物なんて料理は、出来てなかったかもしれないぜ」

 

Y「そりゃ、困る!!」

伊・私「だろ」

 

      寒巌鏘々友情は璧美酒は玉 (中村草田男