2月のある日、こんなことばを聞いた。
「雪の日には紅梅一輪」
うん?なんだろう。
大学へゆく電車のなかで、学生が話していたフレーズである。
それが気になって調べてみることに。ところが、分からない。
うううぅぅンンン・・・・なんじゃこりゃ?とそのままに。
数年後、専門学校のアルバイトをしているときに、簿記を教えておられる女のO先生が、その他の先生方と茶道の話しをしておられた。
そのとき、お茶の流派のはなしになって、利休が裏千家や表千家の始祖であるけれど、そのほかに小堀遠州を始祖とする遠州流と称する流派があるというのである。
そのときのこと。
O「利休の茶はわびさびが大事なので、雪そのものが花でしょ、だから雪が降るときは、花は必要ないという考えで『雪も花である。雪の日に花はいらぬ』と言ったんですって。反対に、遠州は『雪の日には紅梅一輪』って言うんだそうですよ。一般に遠州のお茶っていうのは、『綺麗さび』というんですよねぇ」と。
私は、あ、これかぁ!!学生時代のあのフレーズを思いだした。
きれいなものである。
真白に雪が降る中に、紅の梅の花がぽつんぽつんと彩を添えている。
まるで、その映像を見るように、先生たちのはなしに聞き入っていた。
寒梅や雪ひるがへる花の上(蓼太)