中学時代からの友人Yの家で。
私「なあ、お前の家の垣根に、きれいに椿が咲いてるなぁ」
Y「椿だと思うだろぅ?」
私「え、ちがうのか?」
Y「ああ、この前、植木屋さんが来た時に言ってたんだけどさ、あれは『山茶花』なんだって」
私「え、童謡『たき火』に出てくる『さざんか さざんか 咲いた道~』の、あのさざんかか?」
Y「そう」
私「どんな風に区別するんだ?」
Y「植木屋さんの言うのには、椿は花全体がごそっと落ちるんだってさ。反対に山茶花は花びらごとにはらはらと散るんだってよ」
私「それだと、花が散る時期にならないと分からないんじゃないのか?」
Y「まあ、そうだな。ほかにも、葉っぱの大きさとか、葉っぱの裏に毛が生えているか、いないか、なんてのが判断材料だってさ」
私「へぇ~・・・ほかには?」
Y「字がちがう」
私「それは、意味がちがうだろ。『珍(椿[ちん])説』にも、ならんだろぅが! ばか!」
Y「ははは・・・だめか・・・」
山茶花と椿の実とや見比ぶる(三橋敏雄)