昭和51年1月中旬に、軽自動車の排気量が360ccから550ccへと変更になった。
従来からなじみ深い360ccエンジンが消えてゆく。
中学時代の友人Yの家で話している。
私「なあ、軽自動車の排気量が上がるよなぁ」
Y「ああ、550ccになるんだろ。そりゃ、360ccじゃ力も足りないし、山道なんか登れないから、今の時代、役に立たないだろぅ?当然だよ」
私「だけど、街中を走るなら、それくらいでも良くないかぁ?」
Y「あのな、高校時代の友人で、今、自動車会社に勤めてるやつに聞いたんだけどさ、軽自動車も今じゃ360じゃあ、社会のニーズにこたえられないから、政府にずっと排気量規制を緩和してくれって言ってたんだってさ」
私「うん、なるほどな」
Y「自動車は馬力が大きくなればなるほど、スピードが出るだろぅ?」
私「ああ、そうだろうなぁ」
Y「それで、エンジンを大きくして、馬力があがるようにしたわけさ」
私「それでどれくらい上がったの?」
Y「360ccだと、最高で40馬力だけど、550ccだと50馬力になるんだってよ」
私「それってすごいのかよ?」
Y「ああ、1馬力って175ポンドの荷物を馬に引かせて、1分間で188フィート移動する力をいうんだってさ」
私「分からん・・・・・・で?」
Y「・・・・・・・」
自動車と駕と麓に冬紅葉(高浜虚子)