norimoyoshiakiの日記

昭和40年の後半からの学生生活と、その後のことを日記にしています。ご意見をお待ちしています。

夜汽車

 昭和50年12月15日、テレビニュースを見ていると、蒸気機関車が引く室蘭から岩見沢行の旅客列車が出発したと報じていた。

この日が国鉄での旅客列車を引く蒸気機関車運航の最後であるとのこと。

 

 ああ、蒸気機関車が消えてゆくんだぁ、という思いであった。

わたしは、蒸気機関車での鉄道旅を2度ほど経験していた。

 

 一度目は、高校時代の修学旅行での夜行旅。

だれかが、窓を開けたままでトンネルに入り、いっせいに、けむい、けむい、しめろよぉ、と、同級生があちこちでさわいでいたことを覚えている。

 

 二度目は、山陰に大学でのサークル合宿の折に、夜行列車に乗ったはずである。

どちらも、いろいろな友人といっしょで、わいわい言いながら窓側に座って、煙のゆくえをみていたことを思い出すのである。

 

 わが家は大阪の地方都市にあったが、ほんの数キロ先に国鉄の貨物操車場があり、冬の夜には、この操車場からピ~ ~ピ~、ガッチャァ~ン、ポーという蒸気機関車の、転回すると思われる音がよく聞こえたものである。

 音だけの、なんとも寂しげで、ノスタルジックな情景ではあった。

 

        すわ夜汽車凩山へ吹き返し(子規)