昭和50年12月のある日。大学で悪友たちと。
A「おい、3億円事件、時効になったなぁ」
B「ああ、ついこの前に起こったような気がしてるんだけどな」
C「起こったのが昭和43年だから・・・ちょうど7年で刑事罰についての時効成立かぁ」
B「ちょっと短かすぎないか?」
A「そんなことはないさ。単なる窃盗事件なんだから、7年になるし、誰も傷つけてるわけでもないんだから。法律規定どおりだよ」
B「うん・・・・だけど・・・金額が金額だもんなぁ・・・」
3億円というのは、昭和50年当時の感覚で、およそ30億円から50億円くらいの価値があるといわれていた(ちなみに、令和時代での金銭価値では100億円くらいという説がある)
A「それは刑罰と直接関係がないって、習ったじゃないか。せいぜい量刑に影響があるくらいだろぅ」
C「だけど、犯人には、まだ、民法上の金銭返還義務が残るだろぅ?」
A「ああ、そうだよな、いわゆる『不当利得の返還』または『不法行為による損害賠償』ってやつだろ。だけど、あれも時効があるから、盗んだやつが分からなきゃ、意味ないよなぁ・・・」
そうかぁ・・・みんな藪の中かぁ・・・・
昭和63年12月にこの返還責任も、時効により消滅しました。
もやもやとした中での事件の終結でした・・・・
群衆を包みて濃ゆし冬の靄(深川正一郎)