norimoyoshiakiの日記

昭和40年の後半からの学生生活と、その後のことを日記にしています。ご意見をお待ちしています。

ギンナン

 大学構内を歩いていて。

「おい、すごい匂いだなぁ。たまらん!」

「ああ、『ギンナン』だよ。この季節はしかたないさ」

 

「しかし、茶わん蒸しなんかに入っているときは、多少におっても、おいしいからがまんできるが、道に落ちてるやつは臭くて臭くてたまらんなぁ」

 

 二人でグチりながら、駅へと向かう。

「ところで、ニュースになってたけど、御堂筋でギンナンが山なりに落ちているから、住民が拾いに来て問題になってたっていうじゃないか」

 

「ああ、あれはさ、市のイチョウだからその実も市のものだろう?だから、所有権の問題と、御堂筋は車の排気ガスギンナンが汚染されていて食べられないんじゃないかということと、御堂筋の車線に入ってまでギンナンを拾うひとがいるから、事故があるのさ。いわば、三重の問題となっていて、どう処理しようかってことらしいぞ」

 

「なるほどな。だけど、御堂筋にイチョウを植えた以上はしかたないだろうなぁ」

「なんで?」

 

「『一葉(いちよう=イチョウ)落ちて天下の秋を知る!!』ってね(わずかな前触れから将来の大きな動きを知るという意味だそうです:出典『淮南子・説山訓』)」

 

・・・・お前それ、以前に文学論の講義で聞いた『一葉落ちて』をモジって、そのまま言ってるだろう・・・まったく、分かりにくいこと言いやがって・・・

 

         ぎんなんや黄道の巾感じをり(川端茅舎)