昭和49年の小説ベストセラーは山崎豊子さんの「華麗なる一族」であった。
彼女の作品は学界と財界の二大分野の問題を取扱うことで、大きな話題を集めた。
学会についての問題作は有名な「白い巨塔」であり、財界についてはこの「華麗なる一族」といえよう。
両方ともに、映画化され、テレビドラマにもなってもいる。
しかし、本が出たころは映画とはなっていない。
ゼミの映画好きと話していて、
A「なあ、『華麗なる一族』は『白い巨塔』のように映画化するかなぁ?」
私「ああ、なんで?」
A「うん、あの小説はおもしろいけれど、銀行界や大蔵省にとっちゃあ、暗部だから知られたくないだろぅ?それを映画化までされて、あまりにも大っぴらにされるのは嫌だろうから、圧力がかかったりしないかねぇ?」
私「どこが暗部?」
A「うん?だってさ、銀行が合併するときなんか、裏で大蔵省に手を回したり、MOF担とかいって、大蔵省との交渉専門の銀行員がいたりさぁ」
私「確かに、すごいストーリーだよなぁ。おれも、MOF担なんて初めて知ったよ」
A「だろぅ!」
私「『白い巨塔』なんか、映画化されたこともあって、昭和48年の『東大紛争』に影響を与えたっていわれてるもんなぁ」
A「まあ、映画化されるかどうかは、その時の社会状況によるんだろうなぁ・・・」
私「うん・・・・・」
銀行に落葉掃きたる竹箒(品川鈴子)