「さんまんえん ごまんえん じゅうまんえん コース・・・・うんめいの分かれ道 がっちりかいましょう!!!」
テレビから、司会者のにぎやかな声がする。
大阪をキー局とする、いわゆる視聴者参加番組『がっちり買いまショー』である。
司会のベテラン漫才師ふたりの巧妙なしゃべりと、進行に引きつけられる。
わたしの子供のころからやっている番組で、日常的に見慣れたものであった。
母や姉がいっしょに見ているときには、どちらかが、
「あ、テレビがある。あれはだいたい〇〇〇円ぐらいだから、そんなに買ったら超過してしまうのにぃ」
などといいながら、やきもきしていた。
コース金額内で買い物をすると、商品全部が無料で手に入るのである。
司会話術と前段のゲームと買い物のおもしろさがミックスした娯楽番組であったといえよう。
それが、昭和50年11月30日で終了となったのである。
これも、物があふれるようになった高度経済成長終了の象徴であったろうか・・・・。
買初めの釣に新札二・三枚(山崎篤)