norimoyoshiakiの日記

昭和40年の後半からの学生生活と、その後のことを日記にしています。ご意見をお待ちしています。

女心と秋の空?

 「へええぇぇぇっえぇぇっえええ~~~・・・・」

女が袖で顔を隠しながら泣いている。

NHK日曜日の狂言放送『墨塗(すみぬり)』での一場面である。

 

 この狂言室町時代の大名が京に土地争いの訴訟で滞在中に、都でねんごろになった女性がいる。

訴訟が終わって、国にもどることになり、この女性に別れを告げたときに、女性に泣きだされて困ってしまうというストーリーである。

 

 この狂言では、秋の空が変わりやすいように、「男ごころと秋の空は一夜にして七度変わる」というせりふがあって、これがはじめの頃の、このことわざの言い方であると解説されていた。

 

 うん?「女心と秋の空」じゃないのか?というのが私の思いであった。

大学で友人たちに話してみると、数としては、圧倒的に女心派の方が多かった。

まあ、男どもに聞いているのであるから、当然ではある。

 

 調べてみると、江戸時代くらいまでは、まだ、男心であったようで、

一茶が 『はづかしや おれが心と 秋の空』と詠んでいる。

 

 明治になって、女心という方が優勢になり、

大正時代のオペラ曲

「♪ かぜの中の羽のように いつも変わる おんな心~♪」

などという『はやり歌』などで、決定的になったようである。

 

 ゼミの同期女子学生に聞いてみると、

「ひとによるわねぇ。とにかく、『性格のあう絶世の美男子』が相手なら、変わらないとおもうわ」だそう。

ちょっと、聞いている意味がちがうんだがなぁ・・・・・

 

      しんしんと澄む秋空やゆき場なし(野澤節子)