大学の図書館前の広場で。帰宅の待ち合わせ場所でもある。
A「うわぁ、西の空が朱に染まってるぜ。あしたもいい天気だろうなぁ」
B「うん、帰るか」
A「ああ。秋は夕暮れ。夕日のさして山の端いと近うなりたるに、鳥の寝どころへ行くとて、三つ四つ・・・・とび急ぐさえ あわれなり、か」
B「おい、また枕草子かよ。しかしまあ、よく覚えてるなぁ」
A「うん、これ大学入試の必須暗記文じゃないか」
B「それにしたって、今の状態じゃあ、必要ないだろう?」
A「そんなこたぁないさ。この『鳥の寝どころへ行く』っていう部分、俺たちの今の状態にそっくりじゃないか」
B「おい、俺たちはカラスかよ」
ははは、あまり変わりないと思うがなぁ・・・。
かぁ~ かぁ~
たたなはる夕焼けのみが野の富か(香西照雄)