秋の雨はさびしいものである。
悪友たちと話していて、
「秋雨をテーマにした文学ってあまり知らないよなぁ」
「うん、そうだなぁ。だけど、秋の雨っていうのは、はじめは台風の影響で強く降るんだけど、中頃や、終わりごろになると、秋雨前線とか言って、梅雨のように、しとしとと、降ってくるよなぁ」
「よく、テレビで一雨ごとに、もみじがきれいに色づいてきますとか言ってるぜ」
「ああ、あれは昼の気温と夜の気温差が大きくなって、葉っぱにデンプン質がたまってくるんだってさ」
「え、なんでデンプン質がたまると赤くなるの?」
「なんでも、緑色の成分を栄養素に代えて冬にそなえるんだってさ。そのとき、枯れてゆくと、緑成分が消えて赤くみえるようになって、寒暖差が激しい時は、その色があざやかになるんだとさ」
「そうかぁ、だから天ぷらにしてもおいしいんだぁ!!」
「・・・・・・・」
きのふよりけふ濃きもみぢ雨来るか(稲垣きくの)