大学のたまり場での悪友たちとのはなし。
「おい、『ぼたもち』と『おはぎ』はちがうのか?」
「いっしょだろ。春に食べるのが『ぼたもち』で秋に食べるのが『おはぎ』だろう。中身はおなじさ」
「なんで、呼び名がちがうの?」
「聞いたところでは、春は牡丹がさいているだろ、反対に秋は萩の花が季節花だということからきているそうだよ」
「それで中味がもち米なのには理由があるのか?」
「うん、もちは五穀豊穣の象徴だし、あずきは魔除けの意味があるんだってよ」
「それに、甘く味付けして、それが最高のごちそうだもんな」
「同じ材料で同じ食べ物なのに、違った名が付くっていうのがおもしろいよなぁ」
「そりゃ、牡丹に萩で対比になっていて、にっぽんらしいじゃないか」
「なんでも、春にとれたあずきは、皮がやわらかいからそのままのつぶあんを使うことができて、冬を越したあずきは、皮がかたいから、つぶして、こしあんとして使うことが多いらしいぜ。だから、春はつぶあん、秋はこしあんになってるんだってよ」
「なるほど、さしずめKとHはつぶあん、Sとのりもは こしあんかぁ」
私「おいそれ、頭のかたさをいってるのか、失礼な!!」
「うん、それもあるけど、こしあんは、手がかかって面倒じゃないか」
もう・・・・・(わたし)
梨腹も牡丹餅腹も彼岸かな(正岡子規)