norimoyoshiakiの日記

昭和40年の後半からの学生生活と、その後のことを日記にしています。ご意見をお待ちしています。

千両みかん

 夏合宿帰りの列車のなか。Bが出発駅で買った冷凍みかんを食べ始めた。

A「おっ、おれにもひとつくれよ」

B「いいよ、食べろよ」と手渡す。

A「サンキュー」

B「さて、夏のみかんだから千両だぞ、おい千両」と手を出す。

A「なんだよそれ?」

B「知らないのか?落語であるだろう。商家の若旦那が真夏にみかんが食べたくて病気になり、両親が必死で青物問屋からみかんひとつを見つけ出して、その息子に食べさせる、はなしさ。そのときのみかんの値段が千両なんだよ」

 

 冗談なのだが、ここは冗談で返さなければならない。

Aが困った顔をしているので、

 

Cが「A、気にするな。ここで、3つぶ残してみかんを食べな。そのあと、トイレに行けよ。それでオチがつくからさ」

B「あ、Cお前この落語のオチを知ってたのかぁ、くそぅ」

 

 というのは、この落語では、若旦那が千両のみかん(10粒)を3粒残して食べた後、のれん分け間近の番頭が、みかん1粒100両の価値があるとの思い違いをして、このみかん3粒を持って姿を消したというオチになっているのである。

 

 あくまでもシャレである。

電車のなかの「『たわけ』ばなし」でした。

   

       冷凍みかん齧り旅路の汽車ぽっぽ(高澤良一)