大学1年生の夏、テレビをみていると、徳島県のドキュメンタリーがあった。
そのとき、藍玉(あいだま)づくりの過程が特集されていた。
藍玉というのは、布を藍染するのに必要な原料であり、これを作るためには藍の葉を玉状に固めて発酵させて作るのだそうで、その作業は夏の暑い時期が最適であり、これが江戸時代からの阿波徳島の特産品としてしられているという。
染められた布は消臭、虫よけの効果があるといわれた。
赤い布は、古代より茜の根を使って、その色を出しているらしい。
この方法では、何度も何度も染なおさねばならないため、一時、この方法は廃れたそうである。
それに代わって、赤に染めるために、べに花がつかわれ、紅餅というべに花をあつめてつぶして、発酵させて丸めて乾燥させたのものを使った。
江戸時代にはその手段が最盛期で、最上川上流、いまでいう秋田県の特産物となった。
東の「最上紅花」西の「阿波の藍玉」とよばれ、二大特産品としてもてはやされたと聞いた。
西と東の対比とともに、染め上げられた紺と赤。
まさに対照的な美しさといえようか。
夏のゆかたは、この二色があざやかであろう。