うわあああああぁぁああ・・・・・・
急ブレーキが踏まれる。あと1秒遅れたら、歩行者をはねていたであろう。
その横断者はにらみつけながら、渡っていった。
助手席で
「のりも!!!どこみてんだよ!!ばか!」と、Kが叫ぶ。
うしろからも、Sが
「おい、どうしたんだよ。死ぬかとおもった!!」と青い顔をしている。
鳥取市内での、できごとである。
わたしと、KとSの三人で大阪から島根まで車で合宿に参加することになった。
Kが、「のりもぉ。運転の練習を兼ねて、車で合宿にゆこうぜ」というので、
その案に乗ったのである。
Kの方が運転はうまいので、3対2(Kの方が多め)の割合でKとわたしとで運転してゆくことになった。
高速道を走って、スピード感がくるっていたのと、前方に信号がない。
そこで、油断して、前方の横断歩道を見逃してしまった。
そのとき、KとSの声が急にして、あわててブレーキを踏むはめになったのである。
数分間、ときが止まった。
「すまん・・・」
少し経って、Kが「さあ出発しようぜ」と言ったとき、
サイドブレーキをみると、直角にまで上がっていた。
あ、Kがサイドブレーキをひっぱり上げなかったら、いまごろ・・・・・・
ハンドルの汗を拭ひて地図を見る(稲畑汀子)