norimoyoshiakiの日記

昭和40年の後半からの学生生活と、その後のことを日記にしています。ご意見をお待ちしています。

夏の風物詩

 

 わたしが子供の頃は、夏の思い出といえば、物売りであった。

家の近くに売りにあらわれる物売りとして、『ふうりん』『わらびもち』があった。

物売り以外は、『かき氷』『スイカ』『たらい行水』『あさがお』『氷やさんのリヤカーでの氷配達』『ワタナベのジュースのもと』である。

 

 夏のある日、悪友たちと話していて、みんな同世代であるから話しは通じる。

「なぁおい、子供の頃は、ふうりんやわらびもちを売りに来たのに、このごろは見ないよなぁ」

「そりゃそうさ。あれって、それほどもうかるものじゃないもの。それに、食べ物は衛生上の、もんだいがあるからなぁ」

「かき氷は?」

「今は、フラッペとかいってさ、喫茶店なんかで食べる、かき氷の方が、人気じゃないか?」

「氷やさんの配達ってよかったよなぁ。みんなが集まって、あの氷をのこぎりで切っているときに、子供たちが下で手を出して、きりくずの氷を手にためて食べたりしてさ。氷やさんも、怒ったりしなかったしなぁ」

「あの、ワタナベのジュースのもとは?」

「うぅぅん。さいきん、見ないんだよ。あの粉ジュース、探してんだけど。あれ、妙においしかったんだよなぁ・・・・・・」

みんな、こどもの顔になっていた。

 

     雲しかと止まりてあり盛夏かな(上田俊二)