大学生のころ、講談をきいていて、気になったことがあった。
題名はわすれたが、ある商人が日ごろからの素行が悪い使用人を叱ったところ、逆恨みして、店の商売物である酒樽に灰を放り込んで雲隠れしてしまった。
そのあと、酒樽をしらべてみると、いままでにごっていた酒が澄んだきれいな清酒となり、ここからその商人が大出世をするという話であった。
これを聞いてわたしが、大学の同期とはなしたときに
「どう思う?なにか真実味があるような気がするんだよなぁ。小さいころから、似たような話を聞いたことがあるから、清酒の起源なんじゃないのかなぁ?」
悪友曰く、
「のりも、単純すぎ!!講談なんだろ?『講釈師みてきたような嘘をつき』っていうの。ばかだなぁ」と一笑に付された。
くやしいから、理系の友人に聞いてみても、
「知らないなあ・・・なにかほかの物質とごっちゃになってるんじゃないのか」という。
真相がわからないまま、今日まで過ごした。
最近、インターネットをみていると、ミスターマニアック山科というブロガーが「酒樽に投げ込まれた灰から清酒が誕生したのは伝説ではなく事実です」(2013年5月17日付け)という記事を発見した。
うれしいことに、むかしの日本酒が変化して酢に変わるのを、灰が止めて、清酒にすることをしっかりと説明しておられます。
この商人は、のちの鴻池財閥初代の鴻池新六であり、この酒を江戸へ運んで大成功した、と。
みろ、同期!!50年後だけど、おれの勝ち!!ミスターマニアックさんありがとうございます。
その他、酒造会社「北川本家 富翁」というHPにも同様の記事(360年のあゆみ「濁り酒から清酒へ」)を見つけました。灰が活性炭と同じ役割を果たすのだとか。
なるほどなぁ・・・・・