昭和51年7月にカナダモントリオールで開かれたオリンピックは、女子体操選手、ナディア コマネチが話題の中心であった。
体操選手であるから、身長がそれほどないのは当然ではあるが、彼女自身がこのとき、15歳でありその愛らしさもあって、『白い妖精』と呼ばれた。
華麗で軽快な演技が10点満点を連発させ、金メダル3個をもたらしたのである。
仲間と会ったときに、
A「すごいなぁ。15歳といえば日本じゃあ高校1年生だろう。オリンピックのような世界大会で金メダルだぜ」
B「ああ、そうだな」
A「あの技のキレ味、そうとうなものだなぁ。ビデオで何度みても感心するよ」
C「だけどさぁ。おれも高校時代、ちょっとだけ体操をやっていたけど、体がちいさいことと、からだが柔らかいからこそできる技っていうのがあるからさぁ。どちらかというと、サーカス技に近い気もするぞ。おれはどちらかというと、子供の頃にみた、チャスラフスカの方がすきだけどなぁ」
A「あ、またCの大人の女性好きがはじまったぁ」
にぎやかで、わいわいとした会話が交わされていた。
金髪の女眩しき巴里祭(加藤節雄)