うなぎについての話しがつづく。
B「ところでさ、うな丼とうな重はどうちがうんだろう?」
A「そりゃ、中味はいっしょさ、変わりはないよ」
B「じゃあ、なんで2種類あるんだよ」
A「うな丼は江戸時代からあったのが、うな重は明治に入って、出前注文を受けたとき、さめにくいようにお重に入れたことから始まったらしいよ」
B「なるほどな、だからうな重の方がちょっと値段が高めなのか」
A「うなぎはさ、関東では背開き、関西では腹開きで調理するんだよ」
C「あ、それは俺、聞いたことがある。江戸は侍が多いから『切腹を想像させる腹開き』が嫌われ、商人の町おおさかは、それを気にせず調理しやすい腹開きになってるんだと」
A「ああ、そうだよな。だけど、もう一つ説があって、江戸はまだ新しい都市だから、そんなに熟練の職人が多くなくて、腹開きできるほどの熟練者がいないこともあって、背から開く方が簡単だというので、それが習慣になったともいわれているんだぜ」
C「そうかぁ。それもおもしろいなぁ」
B「それと、おおさかのうなぎは、直火焼きしてたれにつけるだろ。関東の蒸し焼きはどうしてなんだろ?」
A「あれはさ、江戸は若い単身の男がおおくて、せっかちなんだってさ。ウナギの注文を受けたら、すぐ調理できておいしいものが出せるように、蒸して用意しておく必要があったらしいよ。」
C「うな丼なんかのことを『まむし』っていうだろう。関東からきた友達にいうと、えっ、へびを食べるのかって、びっくりされるんだよなぁ」
A「ああ、あれは大阪なんかのうなぎは直火焼きでかたくなるから、ごはんの間にうなぎをはさんで『蒸す』ので間蒸し、あるいは、ごはんを『まぶして』いるからそれが転音して、まむしとなるのさ」
一同「なるほど」
これはもう、文化論ですなぁ・・・・おなかがすいた・・・・
うなぎ焼くにおひの風の長廊下(きくちつねこ)