昭和51年6月に総合商社の専務O氏が逮捕された。
夕方の新聞に大きく報道され、テレビでも何度も何度もニュースが流れた。
ロッキード事件というのは、アメリカの航空機を全日空が購入するにあたり、賄賂を供与したことがアメリカ議会で問題とされ、この不正に商社Mがかかわっていたという。
この贈賄側の逮捕者が出たのであった。
当時、賄賂額の1単位を『ピーナツ』と呼んでいたといわれ、ピーナツみっつの支払があったということで、この『ピーナツ』ということばが独り歩きして、流行語にもなった。
のちに、前総理である田中角栄氏がこの事件にかかわっていたことで、大きな話題となり、彼自身も逮捕されることになる。
学生であったわれわれは、このことを話題とするときに、商社が航空機の売買にも関わることがあるのに驚いた。
A「へぇぇ、商社って、あんな大きなジェット旅客機の売買にも関わるのかぁ?俺は、また、航空機なんて製造会社のロッキードなんかが、販売部門を持っていて、購入会社の全日空なんかに直接交渉して飛行機なんかを売るんだと思ってたよ」
B「だけどさ、総合商社って、売るものは『ロケットからラーメンまで』というそうだぜ。とにかく、商売になるものなら、何でも手掛けるそうだよ」
A「ふぅぅん・・・」
B「だから商社はあらゆる物の売買について、仲介したり媒介したりするんだよ」
A「なるほどね」
そのあと、Cが
「ところでさ、逮捕された専務って、明治の元勲〇〇〇〇の子孫だっていうぜ」
AとB「・・・・・・・・」
それは、事件とは直接には関係がないだろう?・・・・
富士登る外国人の噂かな(子規)