昭和49年に渡哲也がうたう『くちなしの花』が大ヒットした。
♬ ・・・くちなしの しろいはな~
おまえの よぉおぉな~ はな だぁあったぁ~ ♪
くちなしの花ってどんな花?とみんなでいいあっていた。
調べてみてもわからなかった。くちなしの花を、知らないのである。
たまたま、花にくわしい同級生に出くわした。
「ああ、くちなしって、ほら体育館の裏に雑木林があるだろう。あそこに、花弁が5つあるわりあいおおきな白い花がついているやつだよ」と教えてもらった。
彼によると、くちなしは6月ごろから咲き始めて、甘いかおりがする花で、花じたいはきずついたりすると、すぐに枯れてしまう、よわい花だそうである。
これ聞いて、みんながああ、なるほど、それで歌詞に、なにかたおやかな女性をあらわすために、くちなしがつかわれているのかとみんなが感心した。
ところで、あんた、なんでそんなにくわしいの?と聞くと、
「おれんち、花屋だもん」
なるほど。
くちなしの夕べの花のふと匂ふ(杉本山蘆)