norimoyoshiakiの日記

昭和40年の後半からの学生生活と、その後のことを日記にしています。ご意見をお待ちしています。

枕草子

 ある昼下がり、文学好きの友人とはなしていた。

A「雨ばっかりだよなあ。まったく」

B「ああ、つまらないなぁ」

B「ところでさぁ、あの『枕草子』で清少納言が梅雨時のたのしさを書いてるの知ってるか?」

A「あの、春はあけぼの・・・っていうやつか?」

B「ああ」

A「そりゃないだろ。あの清少納言は、俺の印象からすると、そうとう気のつよい女性で、明るい、『からっ』としたことがらは好きだけど、梅雨のような『じめじめ』したイメージを良く言わないだろう?」

B「原文はこうさ。『五月ばかりに山里にありく。草葉も水もいと青く・・・・人などの歩むに走りあがりたり いとをかし』ってね」。

A「ほらみろよ。緑の青々とした山里に、自分は牛車に乗って、輿のなかから楽々と、雨のなかを緑を突き切ってすすんでるから、楽しいんだよ。彼女の性格そのものじゃないか。車ぶっとばして、たのしいなぁっていうのと同じさ。それは、梅雨のしっとり感をたのしむのとはちがうぜ」

B「うぅん・・・、そういわれるとなぁ・・・」

 

 考えてみれば、わびさびは室町からで、清少納言には、ないものだよねぇ。

       五月雨が詫びよ寂びよと降りをれり(相生垣瓜人)