民法での社会構成は、「主体=ひと」と「客体=物(もの)」とで出来上がっていて、「ひと」と「ひと」、「ひと」と「もの」とが権利関係で結ばれていると、講義で説明される。
たとえば、AさんがBさんから腕時計を買うとき、
- AがBに売ってくれというのを「申込」、②Bがわかった売ろうというのが「承諾」という意思表示である。
- この後、AとBとの間で権利義務が発生する。
こうした権利関係の発生の起点、すなわち、はじまりは、まず、AがBに向かって「その腕時計売ってよ」と、ことばを発したことにある。
この意思表示はきわめて重要なもので、「ひと」の意思決定とそれを表示することによって、権利義務関係が発生する要素となり、こうした契約のことを法律行為という。
一方、ほっぺたを平手でたたく、などの意思表示をともなわない行為を事実行為という、と。
この授業のあと、悪友が、
「だけどさぁ。ほっぺたをひっぱたくとき、ひっぱたいてやろうと意思をかためるときがあるじゃないか。そのときは、法律行為にならないのかなぁ」といってきた。
いやぁ、ちがうだろう・・・ほっぺをひっぱたいても権利はうまれないじゃないか
(天のこえ)
1年生で学ぶ「民法総則」という科目の教科書には、
『法律行為とは、意思表示を要素とする法律要件(法律が効果を認める条件)である』と説明があるにすぎず、具体的には、書かれていない。
これが、われわれの、法律行為がよく理解できない理由のひとつでもあった。
明治のはじめごろ、大詩人ゲーテ(Goethe)をギョエーテという、と書いた本があったそうです。何か、法律の説明に似てませんか?・・・・・