norimoyoshiakiの日記

昭和40年の後半からの学生生活と、その後のことを日記にしています。ご意見をお待ちしています。

風が吹けば桶屋が儲かる

 この「ことわざ」は、あることがらが発生すると、ちょっと見、全く関係がないと思われる場所やものごとに影響があらわれるということの、『たとえ』であるといわれるのは、ご存じであろう。

 

 大学で法律を勉強すると、この「ことわざ」がたまに出てくる。

 たとえば、民法不法行為などを勉強するとき、加害者が被害者に賠償する金額は、加害者の行なった行為と密接に結びついた原因により発生した範囲にかぎってのみ賠償することになっていて、その損害と原因は、「相当な因果関係」がなければならないというのである。

 そのため、「ことわざ」のような、「風が吹けば桶屋が儲かる」式での、原因と結果を結びつける考え方をしてはならないという形で説明がされる。

 

 あるとき、悪友たちがはなしていて、この理屈を話題にしていた。

 

A「かぜが吹けば、おけやがもうかるって、どういう理屈?」

B「あれはさ、風が吹く→土煙があがる→目にほこりが入る→目が不自由になる→職業のしゃみせん弾きがふえる→しゃみせんの需要が高まる→しゃみせん皮としての猫狩りが起こる→猫が減る→ねずみが増える→増えたねずみが桶をかじる→桶修理が必要となる→桶屋が儲かる。となるわけさ」

A「ながあぁい~。だけど、論理的じゃないか。それほど、論理的なら、かえって法学の考えに合うようにおもうがなぁ。なんで、だめなの?」

 

 一同、沈黙・・・・・

       水汲んで氷の上に注ぎけり(高浜虚子

 

 水をかけたら氷がとけるという、当たり前のことを当たり前に読んだ俳句だそうで、子規が、この句をほめたそうです。