norimoyoshiakiの日記

昭和40年の後半からの学生生活と、その後のことを日記にしています。ご意見をお待ちしています。

2022-08-01から1ヶ月間の記事一覧

夏のおわり

映画音楽が流れている。 コーヒーのいい香りを口に含みながら、ページをめくると、主人公の女性が自分の部屋で別れをつげられるという場面であった。 ここで、1時間ほどすごしている。 今日夏休みが終わろうとしているのだ。 さて、帰るかぁ。 夏休みに家に…

三菱重工ビル爆破事件

昭和49年8月30日、東京三菱重工ビルで爆破事件が起こった。 昼休みのことであり、テレビラジオで臨時ニュースが流されていた。 死者も出ている。 夏というのは、事件事故が多い。 しかし、これは異常である。 わたしは、どうしたんだろう、 ガス爆発で…

赤字

サークルの夏合宿は、山陰の海辺で行われた。 ここでの勉強会のひとつは「会社法」であった。 そのとき、テーマとなったのが、株式会社の計算規定。 いわゆる、貸借対照表や損益計算書についての勉強である。 勉強会が終わって休みとなり、食事までの休憩時…

太陽がいっぱい

スライド映写機から壁に貼られた紙の上に投影された文字を、ペンですばやく、なぞる。 書き終えて、トムはその違いを確かめながら、書き終えた大きな紙をびりっと破る。 何度も何度も繰り返す・・・・ ルネクレマン監督、アランドロン主演「太陽がいっぱい」…

マージャン

8月のある週末土曜日に、Kの家に1泊で遊びに行った。 Kは一人っ子で、両親が共働きで、この日はご両親二人ともが留守であった。 Kの家でわたしとMもやってきて、3人ではなしをしながら、することがないので夜まで、麻雀をして過ごした。 わたしは、二人に教…

ビヤホール

「カンパぁ~い!!!」 久しぶりの飲み会である。 ゼミ生が8月末に集まって、飲みにゆこうということになった。 28人のゼミ生中15人ほどが大阪のビヤホールに集まったのである。 2・3日前に電話での連絡が回り、在阪のゼミ生が情報収集を兼ねて集まっ…

就職活動

4年生の夏は、われわれにとってはあわただしい日々であった。 就職活動の「真っ最中」である。 夏休みながら、ゼミの同期生と本部食堂で話すことがあった。 みんなが、就職情報の交換をしているのである。 わたしとサークル仲間は、やや後ろめたい気持ちで…

狼に育てられた少年

♪ わーお わーお わお ぼばんばばんぼん ぶんぼばんぼん ぼぼんばばんぼん ぶんばぼん~ いつも おいらは なかない~ どこまでも 燃える命~・・・・・ ♪ アニメ「オオカミ少年ケン」のオープニング曲である。 子供の頃にはやったテレビアニメで、狼に育てら…

ウォーターゲート事件

プールへ泳ぎにいったとき、プールそのものに入る前に、アーチ型の水シャワーをあびてゆかなければならない。 これは、通過するとき、わりあいに冷たい水であるため、われわれ仲間が 「うわっつめたい」 といって通ってゆく。 プールへ入って、悪友が 「これ…

あるとき ないとき

大阪のしにせ中華料理屋のCMに、お笑い女性芸人が出てきて 「あるときぃ ないときぃ」といって、豚まん(関東では肉まん)があれば、大笑いして喜び、ないときにはしゅんとしおれるという映像が流れる。 大阪では、人気CMのひとつである。 これを見て、大学…

旅のおわり

おもしろうてやがて悲しき鵜舟かな(松尾芭蕉) 芭蕉の有名な句である。 よくいわれるのは、たのしいことが終わった後のさびしさをうたったものであるという解釈がされる。 ところが、芭蕉はこの句を読んだとき、自分自身で鵜飼いショーの良さが分からない。…

千両みかん

夏合宿帰りの列車のなか。Bが出発駅で買った冷凍みかんを食べ始めた。 A「おっ、おれにもひとつくれよ」 B「いいよ、食べろよ」と手渡す。 A「サンキュー」 B「さて、夏のみかんだから千両だぞ、おい千両」と手を出す。 A「なんだよそれ?」 B「知らないのか…

怪談 皿屋敷

夏は怪談話しが盛んである。 この時期の蒸し暑い夜を過ごすために、むかしから、娯楽のひとつとして、怪談が語られ、わたしが大学生のころでも、番町皿屋敷、四谷怪談、耳なし芳一、牡丹燈籠、などのさまざまな怪談話がテレビなどで映画仕立てとなって、放映…

キャンプ

「おい、ふたりとも起きろよ」 目をさますと、Kがコッヘルでお湯をわかしている。 「さむい・・・・」震えながら。テントの外へ出る。 8月なのに、氷ノ山(ひょうのせん)の山の中はさむいのである。 Kが苦笑いしながら、 「お前たち、抱き合いながら寝てた…

げんこつ

ゴツン、ゴツンと音がして、目から火が出た。 「こら、お前ら!飯は後だよ、先に酒を飲め。飯なんか先に食ったら酔わねえだろうが!」 鬼の形相でげんこを振り上げる4年のFさん。 どうやら、ごはんは最後の最後というのが『酒飲みの慣習』であるらしい。 み…

旧日本兵

昭和47年1月、旧日本軍兵士である横井庄一氏がグアム島で発見され、日本へ帰国した。 そのときの衝撃は激烈で、かれの第一声が 「はずかしながら、かえってまいりました」と、 直立して敬礼する姿であった。 まさに、昭和20年へとタイムマシンに乗った…

終戦記念日

8月15日は太平洋戦争の終わった日である。 わたしが、大学生のころは戦争で兵隊に行って生きて帰ってきたひとが多くいた。 わたしは、そのなかで3人のひとのはなしが、わすれられない。 一人目のひとは、大陸戦線に上等兵にまでなって、戦ったそうである…

ひまわり

エンドロールで、広い広いひまわり畑のシーンが写し出され、哀愁を帯びたヘンリー・マンシーニの曲が流れる。 ふうぅぅ、とひと息ついた。 高校時代、映画ひまわりを見たのであるが、よくわからない。 「なんで、『ひまわり』(Sunflower)なんだろう?」 も…

氷まんじゅう

『氷まんじゅう』というのをご存じであろうか。 わたしは、子どものころ、大阪市内に住んでいた。 そこは町工場が多くならんでいるところで、わが家も商売の関係上その地区で暮らしていた。 8月真夏の酷暑の日、昼の2時ごろになると、おやじが、わたしを呼…

お盆

わたしが中学2年生のときに、祖父が死んだ。 今はあまり聞かなくなったが老衰である。 その年の8月は、新盆となる。 このとき、オヤジがお盆休みといわれる8月の10日前後に墓参りをするからと、家族全員を引き連れてお寺までゆくことになった。 あとで…

出藍の誉

藍のはなしをもうひとつ。 わがサークルでのこと。 われわれの2年先輩が大学を卒業してすぐさま、司法試験に合格した。前々から優秀なひとであるといわれていたが、さらにその能力向上と勉強に、拍車がかかり、当然の結果となった。 あちこちから賞賛の声が…

藍染め

大学1年生の夏、テレビをみていると、徳島県のドキュメンタリーがあった。 そのとき、藍玉(あいだま)づくりの過程が特集されていた。 藍玉というのは、布を藍染するのに必要な原料であり、これを作るためには藍の葉を玉状に固めて発酵させて作るのだそうで…

海のなかである、 急に足がつった。水中にからだが引き込まれる。 Hとわたしの二人しかいない 私「あかん!!足つった」。足がけいれんをおこしていた。 H「がんばれ。のりも」 沈んでゆくのが分かった。 意識が遠のきそうになったとき、急にからだが浮いて…

ピンクレディー ペッパー警部

昭和51年8月にペッパー警部が誕生した。ピンクレディーという女性グループの歌う曲の題名である。 ♪ペッパー警部 じゃまをしないで ペッパー警部・・・ あなたのことばが 注射のように・・・・・ ・・・・・わたしたちこれから いいところ・・・・♪ はで…

ひとを撥(は)ねた?

うわあああああぁぁああ・・・・・・ 急ブレーキが踏まれる。あと1秒遅れたら、歩行者をはねていたであろう。 その横断者はにらみつけながら、渡っていった。 助手席で 「のりも!!!どこみてんだよ!!ばか!」と、Kが叫ぶ。 うしろからも、Sが 「おい、…

原爆について

昭和20年8月6日は広島、9日は長崎に原爆が投下され、大きな被害を受けた日である。 われわれ世代は『戦争を知らない子供たち』といわれ、原爆については、学校で習った少しの知識があるだけで、戦争経験者たちは、直接にはまったく説明をしたくないよう…

はやしことば その2

話しがつづく。 「外国ではどうなんだろう?」 「あまり、日本の演芸のような上演途中での『はやし』の文化はないと思うなぁ。たとえば、クラッシックの音楽会では、観客が少しでも音を立てたら、追い出されるじゃないか」 「ああ、そうだよなぁ」 「まちが…

はやしことば

同期とはなしていて、天地真理が歌を歌うときに、ファンが合いの手のように、はやしことばを叫ぶことが話題となった。 ♪ あなたが ほほえみをー 【まりちぁあゃん】(ファンのこえ) ひとつわけてく れたらぁ~【まりちゃん】・・・・♪ というファンからの合…

高知旅行

わたしの高校・大学を通しての夏の大きなイベントは旅行であった。 高校2年生のとき、はじめて四国を親友Tとふたりで観光旅行に出かけた。 高校生であるから、お金はない。 二人でアルバイトをして、今思いだすと、おのおの5万円ほどの収入があったはずで…

油を売る

司馬遼太郎の小説「国盗り物語」に出てくる松波庄九郎は、油売りである。 油を売るというのは、しごとをさぼるという意味でつかわれる。 この物語は近世のはなしであり、このなかで出てくる「油を売る」ということばの由来として、油は量り売りで買主のつぼ…